※この話は沖仔新&仔沖新です。沖田と仔沖、新八と仔新が同時に存在しております。

苦手だと思った方はバックプリーズ。










デート×2。2つのデートの物語。








太陽が燦燦と輝く暑い夏の日

街中を並んで歩く、大きな影と小さな影がありました。




「暑いねィ……」

「あついねー」


即答に、本当に暑いのだろうと確信して、沖田は隣を歩く幼子を見た。


「?」


見ると、幼子は流れる汗もそのままにある一点を見つめていた。


「新八君、なぁに見てんでィ?」


視線の先を見てみると、そこには暑い時期には欠かせないモノ、

アイスクリームを食べながら歩く人物がいた。


「アイス食べたいかィ?」

「!!そ、そんなこと、ないよ」


慌てて首を振る小さい新八。


(遠慮なんて、しなくてもイイのにねィ)


そう考えて、沖田は淡く微笑んだ。


「あー俺がアイス食べたくなっちまった」

「う?」

「だから新八君、アイス食べるの付き合ってくれやすかィ?」

「そうごおにーちゃん、いいの?」

「お願いしまさァ」

「うん!」


大きく頷いて、幼子は満面の笑みを見せた。

その笑顔を見て、沖田も笑う。


「たしか、公園にアイス売りの屋台があった筈でさァ。そこに行きやすか?」

「うん、いく!」


頷くと、小さい新八は手を上げて、そのまま沖田の手を掴んだ。


「!?」


握られた手に驚いて、沖田は握った手の持ち主の顔を見る。


「へへー」


はにかんだ笑顔に、沖田は頬を少し赤く染めて

小さな手を握り返した。





二人手を繋いで、向かう先は公園。










+++++


公園の中にあるベンチに腰掛ける、大きな影と小さな影がありました。





「暑いなぁ」


新八は、パタパタと自らを手で扇ぐ。

頬を流れる汗を拭って、隣に座る幼子を見た。


「そう、だねィ」


幼子は汗を流してる訳ではないが、その顔はほんのり赤く染まっている。

暑いのだろう。新八は申し訳なく思った。


「総悟君ごめんね?出来るなら涼しいレストランにでも連れていってあげたいんだけど……」


それをするには、自分の財布は軽すぎる。


「いいんでィ。おれは、しんぱちといっしょならうれしいんでィ」


先程より頬を赤くさせて大人びた事を言う小さい沖田を見て、新八は頬を緩ませた。


(可愛いなぁ)


つい、頭を撫でてしまう。


「なにすんでィ」


子供扱いに、小さい沖田が不満気な顔をして新八を睨む。


「いやぁ、……あっ!」


その睨みから逃げる様に逸らした新八の目に入ってきたのは

アイス、と書かれた看板。


「総悟君、アイス売ってるよアイス!」


アイスの一つや二つなら買えるだろう。新八はベンチから降りた。


「買って一緒に食べよう」


笑って手を差し出せば


「……おう」


仕方ないと言うように返事をして、小さい沖田もベンチから降りた。

新八の手を取って歩き出す。





二人並んで目指すは、アイス売りの屋台。


+++++


公園に来ると、目当てのアイス売りの屋台はあった。


「新八君、チョコアイスですぜ。ホラ」

「ありがとう、そうごおにーちゃん」


手渡すと、小さい新八はふにゃりと笑った。そしてアイスを舐める。


「つめたくて、おいしい」


小さい新八がアイスを気に入った様子を見て、沖田も自分のバニラアイスを食べる。


「お、うめぇ。」


感心した様子で呟く。


「折角なら座って食べたいねェ。冷たいアイス食ってても、歩いてたらそれだけで暑くなりまさァ」

「そうだねぇ」


沖田達は辺りを見回す。公園なのだ、ベンチくらいあるだろう。


「あ、おにーちゃんあそこ」


小さい新八が指差した所を見れば、そこには白いベンチ。


「お、あのベンチで食べやしょうか……って、ん?」


ベンチには先客が居た。


「新八じゃねぇですかィ」


それも、見知った顔の。