こんにちは、志村新八です。
今日も僕は沖田さんに逢いに真選組屯所に向かっている途中です!僕の気持ちと同じで空は晴れ渡り、とっても気持ちの良い天気です。雲1つ無い青空って、こういう空をいうんだろうな♪



カイ 〜会・解・壊〜



沖田さんのおつかいを何回かこなすうちに、僕は真選組の屯所に出入り自由な顔パスを手に入れてしまいました。
初めは屯所内まで入るにはイロイロ聞かれたり怪しげな目で見られたりしたんですが、今や警備の人に挨拶するだけで入れて貰える様になったんです。
隊士の皆さんとも顔見知りになって、親しくお話をさせて頂いたりもしています。

…何故か、通る時いつも可哀相なモノを見る目で見られますが…

なんでだろ?あんな綺麗な女性に会いに行くのに。
まぁ、皆は知らないからねっ!沖田さんが女の人だなんて!!
ただ恐い人にコキ使われてる、とでも思われてるんだろうね、僕は。違うのになぁ―――

そんな訳で、今日僕は月1であるという真選組のお疲れ会(いわゆる飲み会)に誘われてしまいました!依頼、という訳ではないのですが、誘って下さったのはもちろん沖田さんです。
普段は皆さん凄く良い方達ばかりなんですが、お酒が入るとイロイロ大変らしいんです。

えぇ、イロイロ。

なので、僕としては、ちょっとしたボディーガード気分なんです。はっきりは言われなかったけど、きっと沖田さんもそのつもりに違いないです!依頼を毎回キチンとこなしたので、僕は彼女に頼れる男!と思われてるに違いないです!!

えへへへへへへへっ

今日は僕が守るんで、沖田さんには楽しんで貰わなくちゃ!
いつもは沖田さん、隙を見てこっそり飲み会の会場を抜け出しているそうなんです。土方さんとか山崎さんが、酔って絡んでくるんだそうで…2人とも、いつもは凄く良い人なのに…お酒って怖いモノなんだなぁ…


屯所に着いて、門の所で警備の人に挨拶すると、やっぱり可哀相なモノを見る目で見られる。今日はそれだけじゃなく、

「新八君!本当に行くつもりかい…?」

と、声を掛けられた。

「? ハイ、そのつもりで来たんですよ?おかしな事を言いますね。あははははは…」

警備の人は悲しそうな目をして、僕の肩にポン、と手を置く。

「オレはここの警備があるから行けないけど、山崎さんとか皆で守ってあげるからね…?沖田隊長には気を付けるんだよ…?アノ人はホントにシャレにならな………」

「どうしたんですか?って言うか、気を付けるのは山崎さんとか土方さんの方じゃないんですか…?僕はそのぅ…沖田さんを護る為に来たんだし…」

警備の人は更に悲しそうな顔になって、僕の肩をポン、ポンッ…と叩く。…ま、いいか。


先日沖田さんに教えて貰った大広間まで行くと、もう皆さん揃っているようで、ワイワイとお喋りしている。

うーん、皆普段は良い人達なのになぁ…どうなるんだろ?

ぐるりと大広間を見渡すと。皆さんとはちょっと離れた所に沖田さんが居た。やっぱりポジション取りは大切だよな!ま、今日は僕がまっ…護りますから?皆さんと近くても大丈夫ですけど?

それにしても、今日も綺麗だなぁ…

嬉しくなった僕は、沖田さんに駆け寄って挨拶する。

「沖田さんこんにちはっ!今日はお招き有難う御座います!」

「いらっしゃい、新八くん。今日は楽しんでいって下さいね?」(沖田裏声)

沖田さんが僕に微笑んでくれる。あぁ、やっぱり美しい!

あ、僕達の関係も、少しだけ発展しているの分かります?
『新八くん』!『新八くん』ですよ!!
『志村君』から昇進してますからねっ!!

沖田さんと談笑している(と、言っても僕が一方的に話して沖田さんは微笑んでいるだけだけど…)と、三角巾を被った隊士の皆さんが、忙しそうにお料理やお酒を運んでいる。

うーん、落ち着かない…飲み会が始まるまで、僕も何か手伝えないかなぁ…?
そう思って、ちょうど目の前を通った隊士の人に聞いてみる。

…山崎さんだった…

僕が手伝えないかと聞いてみると

「えっ!?良いの?新八君助かるよっ!」

そう言った山崎さんが穏やかな笑顔を浮かべ、喜んでくれた。

沖田さんに一言断って立ち上がると、僕の後ろを見る山崎さんの顔色が何故か変わって、冷や汗をだらだらとたらし始める。
…具合悪いのかな…?
もう一度沖田さんを振り返ると、いつも通りの綺麗な笑顔で

「頑張って!」(沖田裏声)

と言ってくれた。
ふっふっふっふっ
こう見えても僕は結構料理が出来るからねっ!
…まぁ…家と万事屋でやらざるをえなかったんだけどね…命かかってるし………
しょっ…将来、良いだっ…旦那様になる、って事をアピールだっ!


山崎さんに連れられてお勝手に行く途中、悲しい顔をした山崎さんが僕を振り返る。何だ…?

「新八君、今日何か用事は無かったのかい?悪い事言わないから、今からでも帰った方が君の為だよ!君みたいな良い子が…くっ…」

そう言って、ホロリと涙を流した。
…どうしたんだろう?警備の人といい、山崎さんといい。そんなに皆酒乱なのかなぁ…?

「大丈夫ですよ。僕、ヨッパライの相手は銀さんで慣れてますから!」

「…そうかい…?まぁ、それも有るんだけどね?一応皆でフォローはするけど…沖田隊長にこそ気を付けて。」

「お気遣い有難う御座います。」

なんだか悪いんで、にっこり笑って御礼を言う。
又、沖田さんって…何だろう…?沖田さんって酔うと何かヤバイのかなぁ…?説教魔とか?普段は厳しいみたいだしなぁ…
…アレ…?それとも、きっ…キス魔とか……?
あっ…有り得る!有り得るよ!皆さんは沖田さんを男だと思ってるワケだし!やっ…や―、どうしようかなっ。そんな事になったら…絶対隣、キープしよ………


目的の場所に着いてすぐに僕も三角巾と割烹着を借りて、厨房に立たせてもらう。
さて、何を作ろうかなぁ…沖田さん何が好きなのか聞いてくれば良かったよ…試しに山崎さんに聞いてみたら、カレーとかハンバーグとか、子供が好きなもの、と教えてくれた。

…う―――――ん…

台所を見回してみると…酒の肴的な物しか無いなぁ…どーする?とりあえず、隊士の皆さんが作っているものを手伝う。その中で余っている材料をかき集めてみると…
ソーセージに、玉ねぎ、にんじん…ハムに卵…と、ご飯…
オムレツかオムライスなら出来そうだな…

よしっ、オムライスにしよっ!

沖田さん喜んでくれるかなぁ…?


ぞくぞく料理が出来上がっていくので、それをどんどん大広間に運ぶ。流石男所帯だ、量がハンパじゃないよっ。
ちょうど近藤さんと土方さんの所にも料理を運んだので挨拶する。
と、お2人とも、いつも通りに挨拶を返してくれる。
…あんまり皆さんが僕に注意するんで、このお2人にも言われるかと思ったんだけど、そんな事は無いなぁ…やっぱりそうなのかなぁ…沖田さん、きっ…キス魔とか…?このお2人は沖田さんの秘密を知ってる筈だし…………絶対隣キープだな…………


大体の料理を運び終わったので、大急ぎでオムライスを作って沖田さんに持って行く。
美味しいって思ってもらえるかなぁ?
あぁ!ドキドキしてきた!!