その後の悪だくみ。


「おはようございまぁ―――す!今日の話題は…」

…あー、朝か…今日も又くだらねぇ見廻りをやんなきゃなんねぇなぁ…
さて、どうやって土方さんをまきやしょうかねぃ…

それにしても、今日はやけに布団がフカフカに感じまさぁ…なんだか暖けぇし…腕の中に幸せ掴んでる気もしまさぁ…アレ?本当に何か抱きしめてね?

開きたがらねぇ瞼を無理矢理こじ開けると、目の前には黒いカタマリ…これァ何でぃ…?
ちょっと体を離してソレを見ると…新八ィ…!?なっ…何がどうなって…?
首だけ動かして周りを見渡すと、見た事もない部屋…?

ああっ!!そういやぁ昨日は新八の誕生日で!俺ァ新八の為にたっけぇ部屋を予約して、俺をやるって…!!
…アレ…?俺ァ新八とヤりやしたっけ…?新八のカワイイ顔見やしたっけ…?エロい声聞きやしたっけ…?

……………記憶にねぇ……………………

もう1回マジマジと新八を見ると、しっかりバスローブを着込んで、可愛らしい寝顔ですやすや寝てまさぁ…
俺の方も、しっかり着込んでらぁ…
落ち着け、俺。もう1回昨日の記憶をおさらいでさぁ…

昨日は………新八が風呂に入った後………あぁ、風呂場にこっそりバスローブを届けて………テレビ見ながら最後のイメトレしてたんでさぁ……
アレ…?その後どうしやしたっけ…?アレ…?その後どうしやしたっけ…?アレ…?記憶がねぇ………

寝ちまったのか!?俺ァ!!??

そっ…そんな馬鹿なっ!新八ですぜ!?新八がおっけーしてくれたんですぜ?それもでーとからずっとキメてきたんですぜ!?
最後の最後で…そんな事……おかしかねぇですかぃ…
寝ちまうなんて、ありえなかぁねぇですかぃ!?
イヤ、確かに前の日にゃぁ緊張して寝られやせんでしたぜ?一睡もしてねぇですが、新八ですぜ?
…信じらんねぇ…俺にガッカリでさぁ…
イヤイヤ待て待て、まだ時間は有りまさぁ!
今からだって十分間に合いまさぁ!!

俺の腕の中で、スヤスヤと気持ち良さそうに眠る新八………

だっ…駄目でぃ…こんな気持ち良さそうに眠ってる新八ァ起こせねぇでさぁ………

俺が頭の中で葛藤したまま固まってると、うーん、と唸って新八が目を覚ます。
にっこり、と、えんじぇるすまいるを俺に向けて、小鳥のさえずりみたいな声で

「おはようございます、沖田さん。」

とか言いやがる…しっ…新八も起きた事だし良いんじゃねぇですかぃ?続きヤっちゃっても…
新八が俺の腕の中に納まったままキョロキョロと辺りを見回して、大倉さん…あぁ、8時か…とか言う。

「新八ィ!今からでも遅くねぇ!!昨夜の続き、しやしょうぜぃ!!」

俺は、新八をがばっと組み敷いて、新八の唇めがけてダイブする。
初めっから飛ばして行くぜィ!!

でぃーぷなちゅうをかましてやると、新八の両手が俺の顔を掴む。
なんでぃ、新八もヤル気じゃぁねぇかぃ♪
舌を絡め取ってもっと深くまで入り込もうとすると、新八の両手が俺の顔をぐきりと曲げる。

イテェっ!!!????

そして、俺が痛みで力を抜いた瞬間、横にぶっ飛ばされる…

「アンタ何朝からサカってんだっ!!もうこんな時間なんですよっ?僕は今日仕事なんですからねっ!!朝ごはんだって食べなきゃなんないしっ!!すぐに支度して出ますよっ!!」

目を吊り上げた新八が、ドスドスと歩いてバスルームに籠もってしまう。