※どんな新八でもアタイの愛は変わらないわ!!とか、ギャグでしょ?ならいんじゃね?と思える方のみご覧下さい。



キミがなんでも!


今日は潜入任務も無くて、のんびり見廻り。
途中大江戸ストアに寄って、副長に頼まれたマヨネーズを大量に買って帰らなきゃぁいけません。
…ったく、俺はパシリじゃないってーの!どうせマヨネーズ使うのなんて副長ばっかりなんだから、自分で買いに行けば良いのに!!

…なーんて、言える訳ないけどね…

それに、大江戸ストアに行ったら、もしかしたら会えるかもしれない…俺の愛しのあの子に…

そういえば、買出しはいつもあの子がやってるよな…そういう所も俺に似てるよね。
常識的な所も、落ち着いてる所も。
俺とすっごく相性良いと思うんだけどなぁ…
でも、友達どころか知り合いぐらいにしか思われてないんだろうなぁ…

ハァ…

もっともっと話をしてみれば、絶対気が合うと思うんだ。
そうすれば、もっと仲良くなれて、そのうち好きになってくれたり…するかもしれないしさっ…なーんて…
もう少し頑張ってみようかな…

俺が大江戸ストアで業務用マヨネーズをがんがんカゴに詰めていると、後ろから声をかけられる。
…この声は…新八君!!

「こんにちわ、山崎さん…おつかいですか?」

「こんにちわ、新八君!…やっぱり判る…?」

「分かりますよーっ!マヨネーズばっかりそんなに買い込んでるなんて、土方さん以外思いつかないですもん!山崎さんが買ってたら、パシリですよね?」

新八君が、あはは、と笑う。
可愛いなぁ…僕だけにその笑顔、向けてくれないかなぁ…
アレ…?でも、今何か変な言葉、聞いたような…パシリとか…

「お使いはマヨだけなんですか?」

「うん、そうだよ?マヨネーズだけでも凄い荷物だからね。」

「あははっ、そうですね。そうだ!いつも荷物持ってもらってるから、今日は僕がお手伝いしますよ!僕、今日荷物少ないんで。」

良い事思いついた!みたいな顔で、新八君が言う。
マジで!?
こんな事有って良いの!?ラッキー!!

「お願いします!」

「あはは、はい。」

新八君が又笑ってくれる。
あー、天使だ!天使が俺に舞い降りた!!
実は新八君、結構俺の事好きだったりしてくれてるのかなぁ…!?

2人とも会計を済ませて、新八君がマヨネーズの袋を1個持ってくれる。
屯所までの帰り道は、結構長いからね!!存分に俺をアピールだ!!

「新八君は、ミントンやったりするの?」

「ミントン…?バトミントンですか?寺子屋の頃は遊びでやったりしてましたけど…そういえば山崎さんって、よくやってますよね?えーと…ミントン?上手なんでしょうねー?」

「いや、それほどでも…ってか、新八君、俺がミントンやってるの知ってたんだ!」

新八君の頬が、少し染まる。
え…?この反応…!?

「あの…良く見かけますから…沖田さんが土方さんを怒らせる時とか…」

…あぁ…そういう時か…

「あはは…何かカッコ悪い所見られちゃってるなぁ…良かったら今度一緒にやらない?」

「僕、ヘタですよ?それでも良いなら。」

新八君が、ちょっとはにかみながら頷いてくれる。
やったー!デートの約束ゲットォォォォー!!
俺がガッツポーズを決めると、新八君が又笑う。

「山崎さんっていつも独りでミントンやってますもんね…やっぱり独りじゃ寂しいですもんね!僕で良かったら、声掛けて下さいね?万事屋に電話くれれば、都合良かったらご一緒します。」

「ホントに!?じゃぁ連絡しちゃうよ?」

「はい、お待ちしてますね?」

うわー!何だよ!こんなにトントン拍子で良いのかよ!?

俺があわあわしていると、はにかんだままの新八君が口を開く。

「あの…山崎さん…真選組の皆さんと遊んだりはしないんですか…?」

「えっ?あんまり遊ばないなぁ…隊長クラスとは、もう全然。」

…アレ…?新八君、ガッカリしてない…?

「…そうなんですか…万事屋とはやっぱり違いますよね…上司と部下、とかしっかりしてるんですねー…でも、沖田さんとかだと年近いんで、一緒に遊ぶのかなぁ…とか思ったんですけど…」

「えっ!?沖田隊長!?アノ人とは年が同じでも遊ばないよ!そんな恐い!!」

「あ…そうなんですか…?」

えっ!?ちょっ…ガッカリしてない!?新八君なんかガッカリしてない!?

「しっ…新八君は…沖田隊長と遊びたいの…?」

俺が恐る恐るそう聞くと、新八君の顔がほんのり染まって、目がキラキラと輝きだす。

「だってアノ人、ドSじゃないですか。打たれ弱いと思うんですよねー!何であろうと僕にボロ負けしたら、すっごく落ち込むんじゃないかと思って。」

「アレ…?新八君、ミントンは遊びでやっただけなんじゃ…」

「あ、やっべー。結構自信有るんですよね、バトミントン。山崎さんにも黙ってて驚かせようと思ってたのになぁ、バレちゃった。真選組の方々にはいっつも何かしら迷惑かけられてますからねー、たまにはこてんぱんにのしてみたくて♪」

新八君が、イキイキと話しだす。
…ドSっ八だ…ドSっパチだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!

でも、そんな新八君もイィかも…


屯所に着いて、台所までマヨネーズを運んでくれる途中も、キョロキョロと辺りを見回す。

「山崎さん、沖田さん居ないですかね?やっぱりサボリですか?」

ドSっ八のまま、キラキラした目で俺を見上げる。
…可愛い………何かキラキラ光って見える…

「やー、もうアノ人から目が離せないですよ!僕の目の届かない所でヘコんでるんじゃないかと思うと、気になって気になって!つい、探しちゃうんですよねー。」

新八君が、にっこり笑う。
可愛い…可愛いんだけど何か黒い…

「じゃあ、僕はコレで失礼します。今度遊びましょうね?」

爽やかに手を振りながら、駄菓子屋かなぁ…公園かなぁ…と言いつつ去っていく。


新八君…ああいう子だったんだ…
でも!そんな新八君も、俺なら大丈夫!新八君なら何でもアリだから!
でも…俺も…新八君のヘコんだ姿、見て見たいかも…攻められるのは趣味じゃないし。
ドSが打たれ弱いんなら…新八君も打たれ弱いのかな…?

…って俺もSの素質、有るかも…

とりあえず、カッコ悪いトコ見せたくないからミントンの練習でもしておこう。


END