座って沖田君を待っていると、バタバタと音がして沖田君が駆け込んでくる。
「パ…チ恵…?」
沖田君が私を見て固まる。
…何か…変だったかな…?やっぱり作戦失敗…?
「あっ…沖田君…っ!休憩時間にごめんなさい…」
「イヤ、良い。あぁ、仇は取ったぜィ?近藤さんぶちのめしときやした。」
「…は…?」
仇、って何が…?
「パチ恵、近藤さんに告白したんだろィ?でも近藤さんは無理だ。アノ人は姐さんしか見てねぇから…」
…何…を言ってるの…?この人…?
「あぁそれから、こんな人気の無い教室でそんな恰好は良くねぇよ。俺だから良かったようなものの、他の男に見付かったら犯されちまうぜィ?」
真面目くさった顔で、私に説教…?
「…沖田君…何言ってるの…?私がいつ近藤さんの事が好きだなんて言ったの…?」
なんか…腹立ってきた…
「えっ…?イヤ、昼休みに告ったんじゃ…?呼び出して話してたし…泣いてたし…」
「ソレはっ!今日アナタの様子がおかしかったからっ!近藤君なら何か知ってると…っ…」
私が沖田君の道着を掴んで詰め寄ると、びっくりした顔であわあわと焦りだす。
「泣いたのはっ…沖田君が…私の事好きなんてからかって…それが悲しくって…」
「おっ…俺ァ…」
「うるっさい!最後まで言わせろっ!からかわれたのに、アナタの事好きになっちゃったからっ…悲しくなったのっ!」
「へっ…?」
沖田君が、呆然と私を見る。
何よ…何よ何よっ!やっぱり…
「俺…の事が…?」
「好きよ!大好きだよっ!」
あ…なんか涙出てきた…
ふわり、と笑った沖田君が、私のメガネを取って、涙を舐めとる。
なっ…!?
ぼんっ、と赤くなった私を見て、更に深く笑う。
「スゲー、おっぱいまで真っ赤だぜ?」
「えっ…えっち!」
逃げようとした私をぎゅっと抱きしめて、はぁーっ、と溜息をつく。
「なんだよ、ワザと見せてくれてんだろ…?そっか…俺をメロメロにすんのか…くくっ…」
痛いぐらいにぎゅっと抱きしめられて、くつくつと笑われる。
なっ…何が…?
「すげぇ嬉しいや…やっと伝わった…」
「あのっ…沖田君…?」
訳が分からなくて、私が沖田君を見上げると、凄く優しい瞳とぶつかる。
わっ…何でこんなに…?又、誤解しちゃうよっ…
「俺もパチ恵の事大好きだ、って事でィ。付き合おうぜ?俺達。」
「えっ!?でも…沖田君…」
「今更ウソでしたー、なんて無しだぜィ?もうダメでィ。2年の時からずっと、オメェしか見てなかったんだぜ?俺ァ。この後は俺達ァ、一生一緒だかんな。」
ちゅっ、とキスされて、にっこり笑って抱きしめられる。
え…っと…これは…両想いになれた、って事なの…?
彼氏彼女になったの…?
ホントに…?
まだ信じられなくてぼぅっとしていると、ぷちん、って音がして何かスースーする…って…
「ひゃんっ…!」
「おー、やわっけー…きもちー…」
「なっ…なっ…なっ…何すんのよぉぉぉぉぉぉーっ!?」
「何って…乳揉んで…」
「イヤァァァァァァァァっ!!!!!」
バシ――――――ン!
ガツッ…
ゴツ…
私のビンタが当たった瞬間、後ろから神楽ちゃんとさっちゃんの拳が飛んだ。
って、えぇぇぇぇぇぇぇっ!?ふっ…ふたりとも…みっ…見て…見て…!?
「危ないトコロだったネ!」
「急ぎすぎよね。」
さっちゃんが外されたブラをとめてくれる。
「何すんでィ!恋人達の逢瀬を邪魔すんじゃねぇよ!」
「アホネ!オマエはアホネ!」
「女の子の気持ち、少しは考えなさいよ!」
腰に手をあてたポーズで2人が沖田君に迫る。
「教室でサカってんじゃネーヨ!」
「そうよ、初めてが教室プレイなんて、パチ恵さんが出来る訳ないじゃない!」
「そうネ、パチ恵は処女ネ!」
「そうか…2・3回ヤってからか!」
「そう、ちょっと慣れてから…」
「スリルを楽しむネ!」
「何の話ですかァァァァァっ!!!!!」
「「「えっち」」」
3人が声をそろえて言う。
「何勝手にっ…って言うかなんで当然みたいに言ってるんですかっ!?しませんよ!?私はしませんよ!?」
えー?なんで?って不思議そうな顔で3人が私を見る。
何!?私が何か間違ってるの!?そんな事無いよね!?
何故か意気投合した3人が、おっそろしい事を話してる…
早まったかな…私…?
ちょっと後悔したけど…でも…やっぱり好きだから…
これからよろしくね?沖田君…?
えっちはしないけどね。
続く
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