ば――――――ん!!

いきなりトイレの戸が開いて、さっちゃんが出てくる。
何時から居たのォォォォォォっ!?

「話は全部聞かせて貰ったわ!私、断然応援するわ!パチ恵ちゃんと沖田君が付き合うようになったら、先生もパチ恵ちゃんを諦めて私の事見てくれるもの!」

さっちゃんが手を洗って、にっこり笑って私の手を握る。

「だから!私と先生は何の関係も無いってば!」

さっちゃんは1年生の頃からずっと、担任の銀八先生の事が好きなんだよね…
妙に先生に懐かれてる私と先生の事誤解してるけど…本当に何の関係も無いのに…

「告白するなら早速作戦会議よ!」

張り切ってるな、さっちゃん…

「でっ…でも…沖田君今日いつもと同じだったし…からかわれただけなんじゃ…」

私が俯いて朝から気になってた事を言うと、2人がぽん、と私の肩を叩く。

「そんな事ないネ。ドSはずっとパチ恵の事スキだったヨ。」

「今まで気付いてなかったのが凄いわね…って言うか、パチ恵ちゃんが沖田君の事好きなんでしょ?」

神楽ちゃんとさっちゃんが、遠い目で私を見る。
…そうかな…そうだよね…

「うん…私、放課後沖田君に返事するっ…!」

「セッカクだから、わき目もふらないくらいメロメロにするネ!」

「パチ恵ちゃん改造計画ー!」

…凄く楽しそうなのは、私の気のせいかな…?

「パチ恵のイイ所と言えばオッパイネ!全裸でぶつかっていくヨロシ!」

神楽ちゃんがびしっ!と人差し指を立てて、真剣な顔で言う…

「私は変態ですかぁっ!?」

「えー、喜ぶと思うアル。」

「出来ませんっ!そんな恥ずかしいコトっ!」

私が叫ぶと、さっちゃんが神楽ちゃんにもぅ、って言う。

「そんな直接的な手段じゃ男はトキメかないわ!やるならチラリズムよ!」

「アンタも変わんねーよっ!」

私が突っ込むと、2人がじっと私を見る。

「だって、パチ恵のイイ所はおっぱいよ。」

「パチ恵さんと言えば、胸でしょう?」

…私の存在って………
軽くへこんでいると、さっちゃんが私のセーラー服の三角部分を取る。

「なっ…何…?」

「チラリズムよっ!ここを取って開ければ、チラッと胸の谷間とブラが…って、パチ恵ちゃん…?何?コレ…」

「え?何って…?」

怒った顔のさっちゃんが、私のブラひもを掴む。

「何この下着。小学生じゃ無いのよ…?」

なっ…怒るとこ?そこ怒るとこ?

「だって…サイズ無いんだもん…私だって可愛い下着、着けたいもん…」

はぁーっ、とさっちゃんが溜息をつく。
なによぅ…さっちゃんだって胸の大きさそんな変わんないじゃないっ!

「今日は告白諦めて買い物に行きましょう。私が買ってる下着屋さんに行くわよ?」

「えっ…?でも…」

「勝負の時ぐらい、勝負下着着けなさい。その後どんな事が待ってるか分からないのよ?」

「イヤ、その後って何が!?」

「とりあえずその下着じゃぁ萎えるわ。」

「何!?普通じゃ駄目なのっ!?」

「その下着じゃ普通じゃないわ。」

「おばちゃんのネ。」

神楽ちゃんまでぇぇぇぇぇぇっ!?
ひどいよ…気にしてたのに…

「分かった…買い物行く…」



そんな感じで、放課後になった途端私はさっちゃんと神楽ちゃんに拉致された。
沖田君が何か言おうとしてたのに…聞けなかったよ…
明日…明日はお返事するから…待っててね…?


続く