サイド沖田

ここ暫く邪魔なヤツらが大人しい。

週一の二人っきりの弁当の時間だって、今迄なら必ず邪魔が入ってたってェのに誰も現れない。 パチ恵が源外のじいさんに不思議な鍵を貰ったってェのもあるんだろうけど、屋上に上って来るまでにも邪魔は入らねェらしい。
アイツらが一体何を考えてんのかは知らねェが、おかげで俺とパチ恵は恋人として随分と進展しちまった。

ちゅっ…ちゅー、とかしちまったし!
ひっ…膝抱っこも!!その上、膝枕!!!までしちまったし!!!!
すっ…すっ…すっ…すっ…好きだ…とか言い合ったりなんか…ぎゃぁー!!!

兎に角、俺達はもうラブラブな恋人同士になれちまったんだ。

アノ過保護な兄貴達や、どっか掴みどころのねェ銀八や、腹黒い山崎や、糞チャイナがこのまま黙って大人しくなんざしてる訳無ェとは思っていやすが、それでも俺ァパチ恵の事信じてるから。 俺の事、だっ…大好きだって言ってくれるから。
だから、この先どんな事が有ったって、俺はパチ恵の手を離さない。 たとえ、パチ恵が俺の手を離したとしても。

「総悟くん、難しい顔してどうしたの?私と居ても…楽しくない…?」

おっと、思わず考え込んじまってた。
折角二人で居るってェのに。
大っ好きなパチ恵にこんな不安そうな顔させるなんざ、俺ァ彼氏失格ですかねィ…それでも…

「俺がパチ恵と居て楽しくない訳ねェだろィ。なんせ俺ァパチ恵にメロメロですからねィ。」

俺がヘラリと笑うと、パチ恵の顔がピンクに染まる。 あー、やっぱ俺のパチ恵は可愛いや。

「私だってすっごく楽しいよ!だって私だって総悟くんにメロメロだから!」

えへへ、と笑うパチ恵が最高に可愛くて、俺は思わずパチ恵をぎゅうっと抱きしめた。