小さな幸せの日



8月9日 木曜日

夏休みだって言うのに、今日も部活で学校です。

まぁ、好きでやってるんですけどね?折角の夏休みなんだから、このチャンスにバイトとかして、ちょっと生活費なんかの足しにしたいなぁ…とか………
それに、総悟君と出かけたりもしたいしさ…

まぁ、部活楽しいし…大会近いからそうも言ってらんないんだけどさ…高校最後の大会だもんな!しっかり練習して悔いの残らないようにしなくちゃ!!
その為の指導で、坂本先輩と高杉先輩が練習見に来てくれてるんだから!!
よし、頑張るぞ!!

「志村〜ちょっと良いがか〜?」

坂本先輩がちょいちょいと手招きして僕を呼ぶ。
何だろう…?

「坂本先輩、どうしたんですか?」

「志村に頼みが有るんじゃが…聞いてくれるがか?」

坂本先輩の顔が真剣だ…何だろう?凄く大切な事なのかな…?

「何でしょう…?僕に出来る事なら。」
 
「志村にしか出来ん事じゃきに。」

坂本先輩がにひゃり、と笑う。


8月10日 金曜日

…今日は俺のたんじょうび…でも…どうせ誰も知らない………
きょねんも…その前も……おめでとうを言ってくれたのは…辰馬だけだった……
家族のみんなは……お祝いしてくれるし……高校生にもなって…たんじょうびなんて…もう…みんな……やらないのかな………?

…たいかいが近いから…辰馬といっしょに……銀魂高校の…こうはいに指導に…行かなきゃ……しんぱちも…さいごの大会だから…はりきってるし…かたせてあげたい…よな…がんばって…教えなきゃ……

辰馬と…待ち合わせて…高校に行く……
今日も…あついけど…みんな…がんばってる……俺も…がんばっておしえるぞ……

「あ!高杉先輩、坂本先輩、しゃす!!」

「高杉先輩!坂本先輩!しゃす!!」

…みんな…あいさつしてくれる……良い…後輩だよな……みんなに…勝ってほしいな……

練習が…ひとをだんらくして…お昼休みになる……
…辰馬をさそって…お弁当をたべよう……

「あのっ!高杉先輩!!」

しんぱちが…にこにこ笑いながら…俺に近付いてくる…
どうしたんだろう……?

「今日、先輩誕生日なんですよね?」

「…うん…なんで…知ってる……?」

「まぁ、イロイロと。僕、お弁当作ってきたんですけど、食べていただけますか?お誕生日おめでとうございます高杉先輩!!」

…しんぱちが…にっこりわらって…お弁当の包みを…差し出している…
気が付くと…しんぱちのうしろに…みんなそろって……立っている……

「先輩、誕生日おめでとうございます!!部活が終わったら、高杉先輩の誕生日パーティーを計画しとるんですが!先輩…都合は悪くないですかね…?」

…近藤が…モジモジと…言う……パーティ…?俺の…?

「…予定は……無い…」

「良かった!!今日ぐらいは良いですよね!?パァーっとやりましょう!!パァーっと!!」

…すごく…きれいな笑顔で…近藤が…走って行く……
と…むこうから…みんなが…おめでとうございます!!……と……言って…くれる……

しんぱちが…お弁当の包みを…俺に持たせて…俺の手を引いて……木陰に移動する…

「先輩、お昼は一緒に食べましょうね?坂本先輩と総悟君も一緒に!」

…木陰に行くと…辰馬と…沖田が待っていた…

しんぱちの…お弁当は…あいかわらず美味しくて…みんなで…食べるお弁当は…美味しくて…それだけで…幸せなきぶんに…なった……
午後からの…れんしゅうも…みんな頑張った…まだまだ…教える事はあるけど…みんな…夏休み前より…強くなってる……

そして…練習がおわって…剣道部のみんなが…俺のために…たんじょうびパーティを…やってくれた…それは…飲み物を飲んだり…食べ物を食べるだけだったけど…すごく…楽しかった……一生の…思い出だ…

「晋助ー、楽しんじょるかー?」

「…辰馬…おまえが…企画して…くれたのか……?」

「いんや?ワシゃ志村に弁当頼んだだけぜよ?志村が沖田に相談して、沖田が近藤にでも相談したんじゃあなかか?」

「……そうか……」

「ワシらぁ良い後輩を持ったのう。勝たしてやりたいのぅ…」

「…そうだな…」

…明日も…頑張ろう……
みんなを…勝たせるために…
こんな楽しい……時間をくれた…みんなを……


END


高杉さん誕生日文。3Z高杉先輩バージョンで。