天高く秋肥ゆる



みなさんこんにちは、志村新八です。今日は銀魂高校の秋の遠足で、栗拾いが出来る事で有名な梨持山(栗なのになんで梨か!?)に来ています。
この山は自然の栗の木が一杯生えているので、この季節、栗が拾い放題なんです!!

志村家の家計の為、今日は遠足に乗じて山程栗を拾っていきたいと思います!!
大体、毎日お弁当3人分とか(それも大量…)作ってると、食費だけで大変な事になるんだよっ!!
どんな事になってんだ、ウチのエンゲル係数は!?

さて、僕1人じゃぁたかが知れてるし…その為の尖兵を集めなきゃな…


「神楽ちゃ―ん!僕今日栗を沢山拾っていきたいんだけど、手伝ってくれないかな?」

まずは1人目。1番食べてんだから、イヤとは言わせないぜ…

「は?何でワタシが新八の手先なんかに…」

ふっ…そう来ると思ってたよ…

「そっか―、残念。栗っていろんな料理が出来るんだけどなぁ。栗ご飯とか―、甘露煮とか―、モンブランとか―、栗羊羹とか―………」

神楽ちゃんの口の端からヨダレが流れる。…ふっ…かかったな…

「なるに決まってるアルヨ!この山じゅうの栗を狩って行くから期待するヨロシ!!」

神楽ちゃんが握り拳を作って燃えている。よし、神楽ちゃんゲッツ!

「わぁ、私もお手伝いして良いですか?栗拾いって、やった事無いんで楽しみです!」

神楽ちゃんのお友達のそよちゃんもゲッツ!
現役総理大臣の妹さんだけど、今日ばかりはそんな事気にしない。まぁ、危ない事はしないように気を付けよう…

さて、次は…

「山崎く―ん!明日ミントンしない?久し振りに付き合うよー」

マイラケッツをカバーから出そうとしていた山崎君に声を掛ける。

「新八君、本当かい!?明日と言わず、今からでも…」

「ごめん、今日は無理なんだ…志村家の家計の為に栗拾いしなくちゃいけないんだ…」

「よし、じゃぁ僕も手伝うよ!」

山崎君ゲェ―ッツ。
彼は1年の時は同じ剣道部だったんだけど、ミントン好きが講じてバトミントン部に移っちゃったんだよなぁ…寂しくなったよ。

後は…あ、居た。

「総悟君―、もちろん手伝ってくれるよね―?」

変なアイマスクを片手に昼寝の場所を探しに行こうとしていた総悟君の腕を掴む。

「いや、俺はこれから昼寝の時間でしてねぃ。残念ですが、栗拾いは手伝えませんや。」

「え―っ!?僕ら友達ですよねっ?」

大切な人手だっ!!逃がしてたまるかっ!!!

「友達ですがねぇ、何時でも何処でも一緒ってぇ訳にはいきませんや。こんな時こそ、自己を高めて…」

んにゃろう…もっともらしい事言いやがって…
何も無い時とかお弁当の時は常に僕にべったりなくせに―!!

「栗、沢山拾えたら、栗ご飯のお弁当作ってこようと思ってたのになぁ…総悟君はいらないんだぁ。残念だなぁ…」

「うっ…いや…ですがね…」

総悟君がちょっと揺らいだ。よしっ!たたみかけろ!!僕!!

「総悟君っていつもコンビニ弁当だから、心配なんだ、僕。でも流石にこれ以上お弁当作って来れないし…栗、沢山拾えたら、総悟君の分も作って来れるのに…僕らだけじゃそんなに沢山は拾えないよ…」

目をうるうるさせながら、上目遣いで総悟君を見る。

ふん、くらえ!!某金融会社の子犬攻撃!!!

うっ、とつまった総悟君が、はぁ――――っ、と溜息をついて僕の頭をポンポン、と撫でる。

「仕方ありやせんねぇ…新八にここまでやられちゃぁ手伝うしか無いですねぃ…」

しぶしぶ、といった感じで総悟君が皆の待っている所に移動する。
移動途中にぼんやりとタバコを吸う担任を見付けた。

「あ、坂田先生―!先生も手伝って下さいよっ!!栗きんとんご馳走しますよ―?栗羊羹も。」

今年も担任になった坂田先生に声をかけると、甘い物につられてフラフラとやってくる。
…坂田先生ゲ―ッツ………
良いのか?大人なのに、この人…………

よし、コレだけ集まれば良いだろう!
姉上も、近藤さんとか土方君とかおりょうさんとか花子さんに手伝って貰ってる(?)みたいだし…

こんな所かな?

拾って拾って拾いまくるぞっ!!
待ってろよ!!栗っ!!


続く