沖田と新八その後
あんまり幸せそうに寝てる総悟君を起こすのが躊躇われて、寝顔を見ているうちに僕も2度寝しちゃいました…
でも、もうそろそろ起きないと、皆帰ってきちゃうよ…!
そう分かっていても…布団の中は昨日雪が降ったなんて思えない位暖かくって気持ち良い…
あ――、ダメだダメだ、起きないと!
僕がよいしょ、と起きようとすると…体が動かない!?何!?金縛り!!??
なんとか体を動かそうと、あちこちに力を入れてみると…アレ…?動く…?
僕がもぞもぞと動くと、ぎゅうと何かに拘束される。
や、ちょっ…!?目はあいてる筈なのに、目の前は真っ暗で…何か息苦しい…何とか腕を前に移動させて、僕に覆いかぶさってる何かを押しのけてみると…
僕はどうやら総悟君に抱きこまれていたらしい。
「ちょっ…総悟君っ!もうそろそろ起きてよねっ!皆帰って来ちゃうよっ!!」
僕が腕の中でじたばたと大騒ぎすると、うーんと唸った総悟君がぱかりと目を開ける。
「…ん―――…おはようごぜぇやす…新八ィ…」
寝ぼけ眼の総悟君が、にひゃりと笑う。
なっ…ちょっ…可愛いんですけどっ!
僕が真っ赤になって黙り込むと、総悟君の顔が近付いてきて、ちゅっ、とキスをする。
「おはようのきっすでぃ。」
にっこり笑われると、何も言えなくなる。
悔しくてじろりと睨んでると、こくり、と頭を傾げる。
「なんでぃ、足りねぇかい?」
僕の視界が反転して、布団の上に組み敷かれて又キスされる。
…夢じゃないんだ…ホントに僕達付き合ってるんだ…総悟君が…恋人なんだ……
僕が大人しくされるままにしていると、総悟君の舌が僕の中に入ってくる…あ…きもち…
ばんっ!
「ちょっと新ちゃん聞いて…きゃ――!?」
あっ…姉上―――――――っ!!!
見られた…姉上に見られたー!?
僕が呆然としている間に、総悟君が僕を起こしてくれて、布団に座る。
「姐さんお邪魔してやす。」
「おっ…沖田君…?あなた達そういう関係だったの…?」
「へい!昨夜告白しやした。姐さんも昨日は告白したんで?」
総悟君がにっこり笑って僕を抱きしめる。
「してません!だって近藤君倒れちゃったんですもの…」
「何でまた…?」
「分らないわ!ケーキを食べただけなのに…」
アレか…アノケーキか…………
「姐さん…俺が近藤さん誘っておきやすから、今日のパーティは一緒に行きなせぇ。」
「………ありがと………」
ちょ、どうした姉上――――!?なんでそんなに素直!?
僕が驚愕していると、姉上が笑う。
「私、あの人が良い、って思っちゃったんだもの。しょうがないわ。」
姉上…凄く幸せそうに笑ってるけど…僕は複雑です。凄く………
「新八ィ、ブスくれてんじゃねぇや。俺も新八も近藤さんも姐さんも、皆で幸せになりやしょうぜ?」
総悟君がキレイに笑う。姉上も嬉しそうに笑ってる…
…そうだね…クリスマスなんだから、皆で幸せになりたいね。
「姉上も幸せになって下さいね?」
僕が笑うと姉上の顔が真っ赤になる。
可愛らしい姉上を見て、ちょっとだけ近藤君を殴りたくなったのは、僕の胸の中にしまっておこう。
続く
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