ミントン部と山崎



今日クリスマスイブは、ミントン部恒例のクリスマスパーティです。
本当なら新八君と一緒にパーティやりたかったケド、皆とは明日パーティをやります。

ちぇっ、折角のクリスマスイブなのに…

「山崎ー!飲んでるかぁー?」

何故か剣道部の皆も居るし…

「ハイハイ、飲んでますよ。」

俺が目の前にあったジュースに口をつけると…

ぶはっ…!?

「何スかコレ!?酒入ってるじゃないですか!!」

「バカかお前。クリスマスイブに彼女も居ない野郎ばっかりで、酒でも飲まんで何を飲む!」

…確かに…

周りを見渡すと、いつの間にか皆出来上がってるよ…早いよ…

「何だー?山崎ぼーっとしやがって。彼女の事でも考えてたのかー?」

傍に居た先輩が絡んでくる。
…彼女が居たら居ませんって、こんなトコ…

「何いっ!?彼女ォ―――?」

他の先輩達も絡んでくる。
いつの間にか、俺の周りに酔っぱらいが集まってきてる………

「居ませんよ、彼女なんて…好きな子なら居ますけど…」

「よぉ―――し、山崎の告白大会ぃ――――!」

周りの酔っぱらいが、どんどんどんぱふ―――!とか口で言い始める。
しまったー、言うんじゃなかった…俺もちょっと酔ってるかな…

「さぁー、山崎吐け―――!」

「誰だぁ――――?誰なんだ―――――?」

「ミントン部がバックアップするぞっ!!」

「言うよなー?先輩めーれーだー!」

あー、しくじった!でも…言っちゃいたい気もするよなー…言っちゃおっかなー
俺が皆の方を窺うと、期待に満ちた目で俺の方を見ている…言っちゃえ!!

「じゃぁあの…言っちゃいます…俺の好きな子は…新八君です!」

ひゃー、言っちゃった言っちゃった!!
俺がバタバタしてると、先輩達が、シ――――――ンと静まってる…アレ…?どうしたんだろう…?

「あの…?男の子だから、引いちゃってます…?」

俺が恐る恐る聞くと、先輩達が動き出す。

「いや、そうじゃなくて…なぁ…?」

先輩達が顔を見合せて、可哀そうなヤツを見る目で俺を見る。

「だって、新八、って志村弟だろ?あいつはマズイって…」

なぁ?と皆が頷き合う。
何が…?
俺が不思議そうな顔をしていると、はぁ、と溜息をつかれる。

「知らないのか?アイツに手を出そうとすると、まず、チャイナ娘が邪魔するだろ?その沖田が嫌がらせに来るだろ?それでも諦めなかったら、ラスボスが来るぞ?」

「ラスボス…?」

俺がごくりと唾を飲み込むと、前に居た先輩が、声を潜めて言う。

「志村姉だ。アイツに逆らったら……死ぬぞ。」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」

「あれっ?俺は沖田と付き合ってる、って聞いたぞ?毎日愛妻弁当作ってきてるって…」

「あ、俺も聞いた。沖田がしてる黄色いマフラーと手袋、志村弟の手編みだって。」

「男の手作りなんて、ちょっと持てないよなぁ。愛だろ、愛。」

「イヤ、確かにお弁当もマフラーも本当だけど…」

俺がそう言うと、やっぱりー!とか声が上がる。

「なら、もう決まりだろ。やっぱ沖田はスゲェなぁ…チャイナ娘と志村姉を押さえた、って事だろー?」

「残念だったな、山崎。さ、飲め。」

先輩達がこぞって酒を注いでくれる。皆俺の肩をポンポンと叩くし…

そっ…そんな事無いよね、新八君っ!?
明日…明日確かめよう!

そんな事…ないよね………


続く