神楽と銀時
今日はクリスマス!
いつもお世話になってる銀ちゃんに、ワタシがプレゼントを用意したヨ!
新八に教わってワタシが作ったケーキネ!!
銀ちゃん甘いモノ大好きだから、きっとスゴイびっくりするネ!
えへへ、ヨロコぶかな?ヨロコぶよネ?ゼッタイ!!
いつもはワタシにイッパイくれるから、今日ぐらいは銀ちゃんにイッパイあげるんだ!
「ただいまアル――――っ!」
ワタシが家に帰ると、なんだか良いニオイがする…
「おう神楽、今日はクリスマスイブだから御馳走にしたぞー。」
いつものちっちゃいテーブルの上には、所せましといろんなゴチソウが乗ってる!
カラアゲにウインナのデッカイやつにキレイなかまぼこに鳥の足!!
…あ………キレイなケーキもアルヨ…銀ちゃんケーキ、買ってきたんだ…どうしよう…
ワタシのケーキ、ちょっとブサイクネ…
「…?…どうした?神楽。もっと喜べよ!ケーキも有るんだぜ?ケーキ!!」
「うん…」
ワタシが着替えるのに部屋に入ると、机の上にはポツンと白いハコ…あんなキレイなケーキの前には出せないアルヨ…
もそもそ着替えて机の上のケーキをどうしようか、って悩んでると、シビレを切らした銀ちゃんが、せかすように部屋のドアを開ける。
「神楽―――!早く来ねーと銀さんが全部食べちゃうぞー?…ってオイ!ソレもケーキじゃね?なんだよ神楽、独り占めか?」
ニヤリと笑って、銀ちゃんがハコを持ち上げる。
「あ、ソレ…昨日新八にならったネ…いつもお世話になってるから…銀ちゃんにクリスマスプレゼントヨ………」
「おー!コレも食っても良いの?豪華だなぁ、オイ!」
銀ちゃんがニッコリ笑って頭を撫でてくる。
でも…ワタシのケーキ、ブサイクネ…
銀ちゃんがウキウキとチャブダイにおいて、ハコを開ける。
…ガッカリするネ…きっと………
「おー、美味そうじゃねぇか!何?コレ全部銀さんが食べて良いの?サンキューな、、神楽!」
「ゼッ…ゼンブじゃないネ!ワタシもたべるヨ!!」
銀ちゃんが、ケーキを半分に切ってくれて、さっそく食べはじめる。
「おー、ウメぇ!やるなぁ、神楽!」
「新八にならったネ!あたり前ヨ!」
ワタシもさっそく食べはじめる…アレ…?これ…
「銀ちゃんダメネ!コレオイシクないヨ!!あれ…?おかしいアル…新八と一緒に作ったのに…コレ…オイシクないアル…」
ワタシのケーキはスポンジがベタッとしてて…何か違うネ!オイシクナイネ!!
「ばーっか、何言ってんだ。神楽が俺の為に作ってくれたケーキが不味い訳ないだろ。こーゆーのは、個性的な味で美味いって言うんだよ。」
銀ちゃんがウレしそうにぱくぱくとケーキを食べてくれる…
「何だ?神楽いらねーの?じゃぁ銀さんが全部貰っちゃうよ?」
そう言って銀ちゃんがワタシのケーキにフォークを立てる。
「ダメよっ!コレはワタシのネ!
ワタシがケーキを手でかくすと、銀ちゃんが又、にっこり笑う。
スポンジがベタベタで、クリームもあんまり甘くないケーキだったケド、ソレはいままでワタシが食べた中で、いちばんオイシイケーキになった。
「…アリガト…銀ちゃん…」
ワタシがつぶやくと、銀ちゃんが又笑った。
ワタシもすっごく嬉しくなった。
続く
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