くりすます・くりすます
「新ちゃん、甘くないチョコのケーキって、どうやって作るの?」
…姉上がおかしい…
「姉上…?ケーキって…またムボーな…」
姉上の顔が、ムッと膨れた…やば…殴られる…って、アレ?なんか、顔赤い…?
「だって…クリスマスなんだもの…甘い物得意じゃないクセに、チョコのケーキが好きだって…」
あ―…又か…どっかにイケメンでも見つけたのか…
「…僕が作りますよ。クリスマスのケーキ、どうせ沢山作るんで。で?今度は誰なんですか?約束は何日なんですか?」
僕が半目になりながら聞くと、姉上の顔が更に赤くなる。
「だっ…ダメよっ!新ちゃんよく剣道部に差し入れ持っていってるじゃない!あんなクセに結構鋭いんだから、すぐにワタシが作ったんじゃないって分かるものっ!」
…剣道部か…姉上の好みなんて居たっけ…?
う―ん…イケメンか…土方君とか…?斎藤君とか永倉君とか藤堂君も女子に人気あるよな…坂本先輩とか高杉先輩とか…?あぁ、桂君も人気有る。後は…!?総悟君!!もしかして総悟君!?
「あっ…姉上…?剣道部って誰ですかっ!?土方君は無理ですよ?あのマフラー見ましたよね?それに、アノ人はチョコケーキなんか食べないですよ?アノ人ならマヨケーキですよ!!マヨケーキ!!僕はそんな気色悪いもの作りませんよっ!!」
姉上の目が座る。
「違うわよ、あんなマヨラー」
「じゃっ…じゃあ…斎藤さん?永倉君?藤堂君?あ、高杉先輩?坂本先輩!?桂君?」
「違います。」
「……じゃぁ………総悟君………?」
「だから!何でそうなの!?あんなドS好きじゃありません!」
はぁ…あれ?なんで僕、こんなにほっとしてるんだろ………友達をお義兄さん、って呼ばなくて良かったからかな…?
ってか、もぅイケメンに入るような人居ないけど…
後は…原田君とか…近藤君とか………あれ…?もしかして………
「あ――…アノ人なら姉上のケーキ、食べれますね…じゃぁ教えますよ。丁度神楽ちゃんとそよちゃんにも教える事になってますんで。」
僕がちょっとホッとしてにっこり笑うと、姉上の顔が爆発した。
「ちょっと新ちゃん!?何誤解してるのか知らないけど、断じて違いますからねっ!!私はあんなゴリラ、好きじゃないですからねっ!!!」
姉上…それじゃ墓穴ですから…僕はひとっことも近藤君なんて言ってませんから。
でも、それを口に出すと確実に殺されるんで、言うのは止めた。
近藤君かぁ―…良い人だもんなぁ…ちょっとストーカーだけど。
姉上が絡まないと、最高に頼りになる尊敬出来る人だしな…ストーカーだけど。
僕が暫らく黙っていると、姉上の手が伸びてきて、僕の首を絞める。
「ギャ――――ッ!姉上っ!死にますっ!死んじゃいますっ!!貴女の弟が別世界へっっっ!!」
僕が叫ぶと慌てて手を離してくれて、違うんだから…とか小さく呟いている。
顔が赤いですよ、姉上…?なんか…こんな可愛い姉上は初めて見た…
「…誰にあげるのか知りませんけど、明日ウチで教える約束してますからその時に一緒に教えるので良いですか?」
「えぇ…」
姉上が赤い顔のまま、コクリと頷く。
…アノ3人に教えるのは大変そうだけど…がんばろ………
続く
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